KYOMI SINSIN

営業部の松田優太が、集合住宅を研究されている
東京大学大学院の大月敏雄教授に、
築後80年を経て再生されたリノベーションマンション
である求道学舎を案内いただきました。
歴史を重ねた集合住宅への教授の思いや
これからの街づくりについてお互いの思いを語ります。

営業部の松田優太が、集合住宅を研究されている
東京大学大学院の大月敏雄教授に、
築後80年を経て再生されたリノベーションマンション
である求道学舎を案内いただきました。
歴史を重ねた集合住宅への教授の思いや
これからの街づくりについてお互いの思いを語ります。

SPECIAL MOVIE
古きを訪ね、新しきを創る。

Chapter 1: Introduction

デベロッパーの営業という仕事柄か、
街並の中に歴史を感じる古い建物を見かけると、
どんな時代に建てられ、どんな人が関わって
きたのかと、ふと思いを巡らすことがある。
大月教授から紹介された求道学舎には、
訪れる前から興味をかきたてられた。

東京で最古のRC造リノベーションマンション
である求道学舎は、かつては学生寮だったという。
その建物は、東京都有形指定文化財となっている
求道会館の裏手にひっそりと佇んでいた。

西洋建築を象徴するアーチ型の窓や入口の
クラシカルなデザインと建物の佇まいが
築後100年近い時間の流れを感じさせる。
植栽の多くは居住者の方が自ら植えられたもの。
かけがえのないこの住まい空間を大切に守りながら、
ここに暮らすことを心から楽しんでいるようだ。

Chapter 2: Renovation

こちらのオーナーであり、居住者でもある
近角真一氏に案内いただきながら
リノベーション当時のお話を伺う。
求道学舎創始者の孫にあたる近角氏の
建物への愛着とそれを継承・維持していくことへの
こだわりがここかしこに感じられた。

エントランスホールには、建築当時ドイツから
輸入され、敷かれたタイルがそのままに。
ここを行き来していたであろう学生たちの
様子が偲ばれ、過去と現在が交差するようだ。

日本の建築物に見られるような庇はない。
3m超の天井高やアーチ型の窓…。
周囲の緑と美しく調和しながら、どことなく
ヨーロッパの雰囲気を醸し出している。

敷地の一画にある近角氏の事務所入口には、
大正から昭和初期を代表する建築家であり、
この建物の設計者である武田五一がデザインしたレリーフが。
壁面塗装の際には、できるかぎりレリーフの
イメージが変わらないよう慎重に施工されたという。
武田五一への近角氏の深いリスペクトが伝わってくる。

Chapter 3: Future

同潤会アパートをはじめ、
古い集合住宅の研究や調査をされてきた
東京大学大学院の大月敏雄教授。
「ただ古い建物を残すことだけが最善の
道ではなく、先人の思いを継承しつつ
リノベーションする道があり、未来を
見据えて開発するという道もある」。

土地の履歴や環境、周りの人の思いなどから
そこに建つべき建築物の“建ち姿”を
自ずと考えていかなければ…と、大月教授。
街や環境と建物との調和の大切さを考えさせられた。

集合住宅はひとつのコミュニティ。
年を重ねていけば、その大切さがわかるはず。
心のかよう住まいづくりが、お互いの暮らしを
支えあっていくはずだと大月教授は話す。

新築マンションも数十年後には古くなる。
そう考えると、この求道学舎のように、
永く人々に愛され、そこに住まう人に育まれ、
いつまでも豊かな暮らしを支えていける
マンションを提供していきたい。
あらためてそう実感した今回の取材だった。