KYOMI SINSIN

休日、粉川哲史は風になる。一人のサイクリストとして力の続く限り、道の続く限り、ペダルを踏み続ける。「足をついたら負け」。そんなこだわりを秘めた彼が出合った、驚きのロードサイクルとは?

前編

SPECIAL MOVIE
休日、粉川哲史は風になる

経理総務部の粉川と申します。「いい休日は、いい仕事を生み出す」という言葉が弊社にはあります。
私も休日はロードサイクルを駆ってツーリングを満喫。 そんなサイクリストにとって憧れのブランド『 CHERUBIM 』を取材しました。

『 CHERUBIM 』のメーカー今野製作所。店を訪れると、まず圧倒的な曲線美を誇る逸品に遭遇した。その名は「HummingBird」。北米ハンドメイドバイシクルショーでグランプリを獲得した意欲作だ。

プロやセミプロのサイクリストは、自分の体形やサイクルスタイルに合わせて自転車製造をオーダーする。今野氏は、そんな要望に応える日本でも数少ないフレームビルダーだ。

今野氏に設計哲学について伺うと、一言「自転車は人がエンジンなんです」。それは一人ひとりの個性や思いが全ての出発点であるということ。「人がブランド」という三信住建の思想と共通するものを感じ、実に興味深い。

製造現場を見せてもらった。今野氏の手先はまるで「溶接の魔術師」だ。手で凹ませられるほどの薄さを持つ専用パイプを、まるでガラスを扱うように繊細な手つきで、丁寧につなげていく。

フレームの組み上げに用いる土台や器具はすべて自家製。一つの工程ごとに寸法を測り直しながら、狂いなく仕上げていく。適度なしなりと強度を計算して生み出される造形には、数学的な美しさを感じる。

今回、企画を進めている段階で、私にはある思惑がありました。それは「実際にフルオーダーしてみる」こと。どのように人を計測し、世界に一台の愛車が生まれるのか。後編では、そのプレミアムな世界を皆様にお伝えしたいと思います。

こだわり三信社員が贈る
KYOMI SINSIN取材レポート

イレギュラーリポート後編へ続く